糖尿病の診断と症状
糖尿病とは?

糖尿病とは?
糖尿病とは、インスリンの分泌が不足している、インスリンが正常に働かないなどのため血液中のブドウ糖が異常に高くなる疾患です。全国で約2,050万人が「糖尿病が強く疑われる」または「糖尿病の可能性を否定できない」と推計されており1)、単純計算すると国民の5、6人に一人は糖尿病の危険があるとされる、深刻な国民病の一つです。
糖尿病は、原因によって4つのタイプに分類されますが、日本人で圧倒的に多く、生活習慣病の一つとされているのは2型糖尿病です。この2型糖尿病の発症には、インスリンの分泌不足、働きが悪いといった遺伝的な要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣的な要因が関係しているといわれています。糖尿病を予防するため、または進行を遅らせるため、生活習慣を見直すことが大切です。
糖尿病4つのタイプ
- 1型糖尿病
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膵臓のランゲルハンス島β細胞が何らかの原因で破壊されてしまい、インスリンが分泌されなくなることにより発症
- 2型糖尿病
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インスリンの分泌不足、働きが悪いといった遺伝的な要因や、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣的な要因によって発症 日本人では2型糖尿病が圧倒的に多く、生活習慣病の一つとされているのはこのタイプ!
- その他の特定の機序、疾患によるもの
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遺伝子の異常や、他の疾患、血糖値に影響を及ぼす薬の使用などにより発症
- 妊娠糖尿病
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妊娠中に初めて発見されたまたは発症した(糖尿病に至っていない)糖代謝の異常
糖尿病は初期症状に乏しく、ほとんどの方では目立った症状が現れることなく進行します。口渇(喉が渇く)、多飲(喉が渇くために水分を多く摂る)、多尿(尿の量が増える)、体重減少といった自覚症状が現れたころには、ある程度進行してしまっていることもあります。不安に思うことがあったり、健康診断の結果が気になったら、医師に相談してみましょう。
MEMO
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞というところで作られ、血糖値を下げることができる唯一のホルモンです。
インスリンは、食事により急激に多くの糖(ブドウ糖)が血液中に流れ込むと(血糖値の上昇)膵臓から分泌され、ブドウ糖が細胞に取り込まれてエネルギー源として利用されるのを助ける働きをします。また、ブドウ糖を脂肪やグリコーゲンに変え、蓄える役目もしています。つまり、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)を調節しているのがインスリンです。
- インスリンが不足すると
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- ブドウ糖が細胞に取り込まれなくなるため、血糖値が上がる
- 筋肉や内臓にエネルギーが運ばれないため、全身がエネルギー不足になる
<参考>
- 1) 厚生労働省:平成24年国民健康・栄養調査結果の概要 平成25年12月 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000099296.pdf 2016/11/1参照