糖尿病の治療薬物治療について

糖尿病のお薬の種類は大きく分けて2つ―血糖降下薬とインスリン注射
糖尿病のお薬には大きく分けて2つ、血糖を下げるお薬(飲み薬、血糖降下薬と呼ばれています)とインスリン注射があります。血糖降下薬は、食事療法と運動療法を2~3ヵ月行っても血糖コントロールがうまくいかない2型糖尿病の患者さんに用いられ、インスリン注射は1型糖尿病の患者さんや、血糖降下薬を使用しても血糖コントロールがうまくいかない2型糖尿病の患者さんに用いられます。

治療が個々の患者さんの状態に合わせて安全に、かつ効果的に行えるよう、医師が目標とする血糖コントロール値をまず設定し、その目標に向けて適切なお薬が処方されます。医師の指示を守って治療を行うことが大切です。
また、高血圧や脂質異常症などを合併している場合、糖尿病の治療はむずかしくなります。「高血圧・脂質異常症合併によるリスク」のページで説明したように、高血圧や脂質異常症と糖尿病は危険因子がまったく同じであるため合併しやすいのです。血糖コントロールとともに、血圧や脂質代謝にも注意しましょう。
血糖降下薬・インスリン注射の種類
血糖降下薬にはさまざまな種類があり、膵臓からのインスリン分泌を増やす、炭水化物の分解・吸収を遅らせる、インスリンの働きを高めるなど、それぞれ働く仕組みが異なります。インスリン注射は、効き方(効果が現れるまでの時間、効果の持続性)によって5つのタイプがあります。
血糖降下薬の種類 | インスリン注射の種類 |
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MEMO
低血糖に注意しましょう。
血糖降下薬を服用していたり、インスリン注射をしている場合、低血糖が起こることがあります。低血糖とは血液中のブドウ糖(血糖値)が低くなった状態で、冷や汗が出る、気持ちが悪くなる、頭痛がする、寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がかすむ、ふらつく、意識が遠のくなどの症状が出現します。
低血糖やその対応について、医師・薬剤師などからよく説明を受け、低血糖が起こったら、すぐに対応をとってください。