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生活習慣病の診断と症状 生活習慣病で知らぬまに進む動脈硬化

知らぬまに進む動脈硬化

生活習慣病は自覚症状がないために放置されることが多いのですが、そうしているうちに動脈硬化が進んでいます。動脈硬化の原因には、血管壁にコレステロールがたまる、高血圧で血管に負担がかかることなどがあり、これらが重複することで病態は進展していきます。

健康な血管は弾力性があり、必要な血液を脳や心臓をはじめ全身に送ることができます。
しかし、動脈硬化の進んだ血管は弾力性を失い、また狭くなっているため、血流が悪く、十分な血液を送り届けることができません。さらに重症になると、血栓によって血管が完全にふさがれてしまうこともあります。

プラークと血栓

動脈硬化がもたらす怖い疾患

動脈硬化が関係している疾患には、狭心症・心筋梗塞、脳卒中や、足の動脈に起こる閉塞性動脈硬化症などがあります。

狭心症・心筋梗塞

狭心症では、心臓を取り巻く冠動脈が狭くなり、心臓を動かすための血流が不足する「心筋虚血」が起こります。突然、胸を締めつけられるような痛みや圧迫感を感じますが、この症状は数分、長くても15分程度でおさまります。

一方、心筋梗塞では、冠動脈が完全にふさがって血流が途絶えますので、その部分の心筋は壊死します。激しい胸の痛み、呼吸困難、冷や汗、吐き気などの症状があり、長時間続きます。

狭心症・心筋梗塞では早期治療が重要ですので、気になる症状が現れたら、すぐに病院に行きましょう。

狭心症・心筋梗塞と心臓

脳卒中

脳卒中には、脳の血管がつまる脳梗塞、破れて出血する脳出血やくも膜下出血があります。
脳卒中が起こると脳血流が途絶え、脳の神経細胞が障害されてしまいます。
脳卒中の症状はさまざまですが、「突然、意識を失って倒れる」というのはほんの一部です。
代表的な症状としては、ろれつが回らない、食事中にはしを落とす、片目が見えない、視野が欠ける、顔の半分や片方の手足の様子がおかしい(力が入らない、動かないなど)、吐き気を伴う頭痛が起こる、意識がもうろうとするなどがあります。

発症後すぐ(3時間以内)に治療すれば後遺症も軽いことがわかっています。脳卒中が疑われる症状が出たら、すぐに病院に行きましょう。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は、足の動脈硬化が進み、血管が狭くなったり、つまったりすることで、血流が悪くなる疾患です。
歩くときに足のしびれ、痛み、冷たさを感じ、悪化すると安静にしているときにも症状が出ることがあります。